書道を始めたばかりの方にとって、最初の関門となるのが「右払い」のようです。もちろん私も例にもれず、苦労したのを覚えています。子どものころ、父に何度教えてもらっても、ちっともうまく右払いを書くことができなかった記憶があります。ていねいに書こうとすると、どんどん長くなってしまったものです。

1.ネットで調べたら案外たくさんありました

 今やインターネット時代なので、「右払いの書き方」と検索してみたら、いろんな書道家の方が解説しているのがたくさんありました。じゃあ、わざわざ私が書かなくてもいいかと思うほどでしたが、読んでみると私が習った方法とは少しずつ違う感じなので、私も自分なりの解説方法で書いてみようと思います。

2.右払いの書き方

・入筆は筆を縦方向に軽く
 基本的に楷書の入筆は「45度に鋭く」入筆しますが、右払いは例外で、縦方向・紙の天から地に向かって軽くチョンと入筆します。そして、右に軽く移動します。
・右斜め45度の方向に、急激に筆圧を加えて引く
 左右の払いは、どちらも45度の角度が基本です。右払いの場合は右斜め下45度の方向。そして、急激に筆圧を加えながら運筆します。
・確実に止まって、筆を右にひねりながら筆を持ち上げる
 終筆部で確実に筆を止めます。止めた後、筆をグッと押し戻すようにすると線の下部の角がしっかりと書けます。その後、筆の軸を右にひねって鋒先を右に送り出すようにしながら筆を持ち上げてゆきます。この時、視線ははらっている線の下の部分を確認しながら払いの角度を保って美しい線になるように気をつけます。

3.ゆっくりと書くのが基本です

 ハネや払いは、なんとなくシャッと勢いよく書くイメージがあるようですが、決して急いではいけません。むしろ、ゆっくりと徐々にハネたり払ったりするのです。ハネも払いも、鋒先を押し出すように徐々に送り出し、筆を紙からはなしてゆきます。最終筆まで丁寧に書きましょう。

 書き方を言葉で説明するというのは、なかなか難しいことですね。伝わるかどうか不安です。なので、書いているところの動画をご覧ください。