昔は、コピー機にコピー用紙をセットするとき「よく紙をサバキなさい」と言われたものです。でも最近は千枚のコピー用紙ひとシメを包装紙から出してそのままコピー機の給紙トレーに入れても、紙詰まりを起こすコピー機を見たことがありません。コピー機が良くなったのか、それともコピー用紙が良くなったのか??

 そういえば、環境のためにコピー用紙も裏紙を使ったりするものですが、裏紙でも綺麗に印字されます。そもそも最近のコピー用紙は、裏も表もよくわからなくなってきているようです。つまり、表も裏もツルツルしているように感じます。「紙はツルツルしている方が表だよ」と教えられたのですが、紙の質が良くなって、裏でもザラザラしていないのかもしれません。

1.書道用紙はツルツルした方が表

 現代のコピー用紙はそのように表も裏もさほど変わらなくなってきたのかもしれませんが、書道用紙はそうは行きません。主に漢字作品を描く画仙紙は、ほとんどの場合ツルツルした方が表です。
 これは、紙を漉く工程で必然的にできるもので、ザラザラが裏になります。また、乾燥の工程でも乾燥板に貼り付け、刷毛で撫で付けるので、裏面には刷毛の目が残ります。何れにしても、ツルツルが表でザラザラが裏となります。
 基本はそうなのですが、書家によってはわざと裏面のザラザラした方に文字を書く人もいるようです。残念ながら私にはその良さがよくわからないので、文字は紙の表に書きたいと思います。

2.かな用の場合はまた違う

 かな用の紙になると、また少し事情が違ってきます。かな用の用紙は、コウゾやミツマタなどを主原料にした和紙で、藁を使っている画仙紙と違います。その上、ドーザ引きなど表面加工をして滲みどめをする場合も多く、その場合は加工してある方が表となります。ドーサ引きしてある場合はざらっとした感触ですが、加工した面はわかりやすいので、間違えることは少ないと思います。
 半切や全紙などの大きな紙の場合は、100枚単位でひと締めになっていることが多く、その場合は必ず表を内側にして折りたたまれていますので、表裏はわかりやすいです。これは、画仙紙でもかな用和紙でも同様です。ですので、半切などは包装紙から出して適当にしまわずに、折りたたまれていた通りに戻しておくように気をつける必要があります。

 さらにかな用紙には、絵柄が漉き込まれたり、刷り込まれたりしている料紙があります。その場合は、絵柄がはっきり見える方が表となりますので、ツルツル・ザラザラは関係なくなります。

3.料紙の天地について

絵柄の入っている料紙の場合は、その柄によって紙の天地が決まる場合があります。概ね、次のような基準で考えれば良いと思います。

・絵柄の内容で天地がはっきりしているものは、絵柄の上下に従う
 例えば、草木が書かれていたらその生えている方向でわかります
・雲に見えるような模様がある場合はそちらが上
・上下の差のない模様の場合は、模様の面積が広い方が上
・紫色が使われていたら、紫のある方が上

 自分で意図して紙の裏を使う場合以外は、紙の表裏や天地を間違えるのは恥ずかしいことになりますので、注意が必要です。