《磨崖仏》(まがいぶつ)

自然の岸壁に彫刻された仏像のこと。インドで発生し、中国、朝鮮半島を経て日本には奈良時代に伝わった。中国では龍門、日本では宇都宮市大谷、臼杵市のものが名高い。

《蒔絵》(まきえ)

漆で文様を描き、金・銀・錫・色粉なとを付着させた漆工芸。奈良時代に始まり、平安時代に盛んになった。

《巻緒》(まきお)

掛軸」にとりつけてある巻物や掛軸を巻く紐のこと。

《巻紙》(まきがみ)

1.縦17センチくらいの紙を継いた長い書状用紙、またはその用紙に書いた書状のこと。

巻き方:表を外側にして折るのが正しい。たが最近は、内側に折る場合も多くなった。
その場合、相手の名前の部分か折り目にこないよう注意が必要。
その他の注意:「御」に類する「貴、尊、奉」などの文字が行末に来ないようにする。熟語や固有名詞が二行にまたがらないようにする。

2.掛軸を巻いた時、軸に傷がつかないように「巻緒」の下に当てて巻く紙。「紐下」ともいう。

《巻絹》(まきぎぬ)

「表具」を巻いたときに表(上部)となって見える部分に打つ極めて薄い絹のこと。

《巻物》(まきもの)

書画を表装し、横長に仕立てたもの。→「巻子本

《摩研石》(まけんせき)

硯の表面に、墨の滓がたまったりして鋒鋩の目が詰まったり、鋒鋩が後退して墨がすりにくい状態になったときに使用して、鋒鋩の目を立てるもの。

《真名》(まな)

漢字のこと。→「男手

《豆色紙》(まめしきし)

普通のものより小型の色紙。

《満中陰》(まんちゅういん)

仏式で人の死後49日のこと。→「忌明け」「四十九日」

《万葉仮名》(まんようがな)

「ひらがな」が完成する以前、かなのように日本語の読みを当てて用いた漢字のこと。「真仮名」ともいう。万葉集で多く用いられたためこの名がある。

《水引き》(みずひき)

和風包装の飾り紐のこと。贈答の包みにかけた「こより」が美しく変化したもの。

●色

結婚祝い:紅白、金銀、金一色、赤金
その他の慶事:紅白
弔事:黒白、白一色、黄色、青白、銀白、銀一色
※いずれも、色の濃い方が右側にくるが、地方により反対の場合もある。

●結び方による使い分け

喋結び(結び輪ができる結び):結婚祝いを除くすべての慶事。何度あってもよいことに使用。
結び切り(結び輪ができない):弔事と結婚祝い。二度とあって欲しくないことに使用。

《水筆》(みずふで)

「すいひつ」とも読み、鋒に芯を入れず根元まで墨を含ませて書く筆のこと。すなわち「捌き筆」のこと。「みずふで」と読む場合は、水書きする筆のことを指す場合もある。

《無鑑査》(むかんさ)

一定の技量のある人で、公募展等に無審査で出品できること。

《無罫半紙》(むけいはんし)

罫のない半紙。無地半紙ともいう。

《命名》(めいめい)

名前を付けること。一般には生まれた子の名前を付けることに使われるが、雅号を付けるときも同様。

《面相筆》(めんそうふで)

「めんぞうふで」ともいう。日本画などで、眉毛、鼻の輪郭などの細部を描くのに用いる穂先が非常に細い筆。「蒔絵」の線書き用の筆。「かな」の書にも用いられる。

《目録》(もくろく)

相手に渡す品物を明記したもののこと。「奉書」に入れて包み、表書きは「目録」とする。

《模刻》(もこく)

→「模勒」
あるいは篆刻で、模範となる先人の印を模倣して刻すること。篆刻技術の向上に役立つ。書でいうところの臨書に似ているということができる。

《木簡》(もっかん)

紙がなった時代、あるいは紙が貴重で生産量が非常に少なかった時代に、木を削って日常の文章を記すために用いたもの。同様に、竹を削って作られたものは「竹簡」という。肉筆で書かれた文字が残されているので、当時の書法を探る手がかりとして貴重である。

《物成》(ものなり)

収穫のこと。

《模勒》(もろく)

元になるものとそっくりに彫刻すること。書の場合は、その筆跡をうつして石碑などに刻すること。