書と暮らす

上條雅峰の書と書にまつわることなどを綴ったブログです。

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日展の歴史と「書は美術ならず」論争

日展の歴史と「書は美術ならず」論争

2022/12/11
書の歴史
書道展
日本の総合美術展の「日展」。2022年は「公益社団法人日展」となって9回目の展覧会だそうです。コロナもあって展覧会に足が遠のいていましたが、今年は久しぶりに行ってみました。 1.日展の歴史  そもそも日展は、明治40…

現代日本の正字(楷書・五十音)

現代日本の正字(楷書・五十音)

2022/07/28
書の歴史
明治政府公文書体(1868年布告)  中国の歴史の中で正字を制定できたのは、強大な権力を持つ帝国であった秦(正字=篆書)、漢(正字=隷書)、唐(正字=楷書)だけでした。それほど国の文字を定めるという事業は、大変なことだ…

日本固有の文字(仮名・平安がな)

日本固有の文字(仮名・平安がな)

2021/11/16
書の歴史
秋萩帖(草仮名)  「古事記」を編纂した太安万侶(おおのやすまろ)は、その序文で「上古の日本語の文章詞句を漢字で表記することは甚だむずかしい。」と嘆いています。  安万侶は漢字と借字だけで日本最古の歴史書を書き上げたの…

日本の速記体(カタカナ)

日本の速記体(カタカナ)

2021/02/25
書の歴史
雲慶願経 (訓点の入った写経)   2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」で、ガクト演じる上杉謙信が甥に書を教えるシーンがありました。そこで、手本を書いてやろうと半紙に書いていたのはカタカナでした。実際に米沢市上杉神…

現代の書家は何を書いたら良いのか

現代の書家は何を書いたら良いのか

2020/09/21
作品作り
書の歴史
最後の文人と呼ばれた富岡鉄斎のことを調べているうちに、江戸時代というのは和様一辺倒ではなくて、唐様も綿々と受け継がれた時代だったことに改めて気がつきました。  と書いても、話は突拍子もない感じですが、ともすると江戸…

漢字の伝来(万葉仮名・真名)

漢字の伝来(万葉仮名・真名)

2020/09/02
書の歴史
三雲・井原遺跡で見つかった硯板  2016年3月に福岡県糸島市ので、弥生時代後期(1~2世紀ごろ)の硯が三雲・井原遺跡見つかりました。  この遺跡は中国の史書「魏志倭人伝」に登場する「伊都国」の都とされ、邪馬台国…

漢字の完成形(楷書)

漢字の完成形(楷書)

2020/06/30
書の歴史
馬鞍山朱然墓刺  1984年に中国、安徽省馬鞍山市の紡績工場の拡張工事中にひとつの墓が発見されました。  墓はすでに盗掘にあっていましたが、それでも多くの副葬品が出土し、その中に「刺」「謁」と呼ばれる現在の名刺にあたる…

普段書きの発展(草書、行書)

普段書きの発展(草書、行書)

2020/05/21
書の歴史
王献之「地黄湯帖」 行書・草書まじりで書かれている  以前「私たちが普段書いている字は行書です。」と師である父から聞いたときは、とても驚きました。私はそれまで、自分が書いている普段書きは「楷書」だと思っていた…

墨書の発達(隷書)

墨書の発達(隷書)

2020/04/20
書の歴史
曹全碑(八分隷) 2019年1月〜2月東京国立博物館で特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」が行われました。書の歴史から初唐の三大家、そして顔真卿の生涯とその書風の変遷、顔真卿の影響を受けたその後の能書たちの作品…

漢字の統一(篆書)

漢字の統一(篆書)

2020/04/14
書の歴史
泰山刻石  中国旅行の見所といえば、紫禁城に兵馬俑、そして万里の長城というところでしょうか。特に万里の長城は、2000年以上の時を経てなお中国の名所として残っているのですから、それを作った秦王朝と始皇帝の権力は…
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上條雅峰(かみじょう がほう)
1964年長野県生まれ
書家である父より書を学ぶ
日本自由書道連盟常任理事
日本デザイン書道作家協会 会員
桃李会主宰

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